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新盗作問題7:ゴミまたはカス案件



その間にも世の中では色々なことが起きていた。
一番大きな事件は「サノケン」オリンピックエンブレムだろうか。
奇しくも「著作権侵害」「トレース」など、二年前、ウェブで踊った言葉がちまたに溢れた。
そして「みの」 が改めて連絡してきてから早3ヶ月が過ぎようとしていた。
相手も弁護士を立てたのだから、もっと話し合いはスムーズに行くと思っていたのだが、
期待は裏切られた。
法律に関するやりとりはとにかく時間と手間が掛かるのだ。
しかし実際に裁判になればもっと大変なのだろう。
まさにディケンズの「荒涼館」を思い起こさせる。
ちょっと説明しておくと、この「荒涼館」、文豪チャールズ・ディケンズの長編小説で、
とある二つの家族があまりにも長くかかる裁判に翻弄されるというもの。
探偵小説の元祖だとも言われている。
これ、わたしのお気に入りだ。
それはともかく。
時間の経過と共に、わたしはふと我に返った。
そもそもなんでわたしはこんなことに煩わさられているんだろうか?
その間に何回か、向こうの弁護士から「合意書」の叩き台なるものが送られてきてはいた。
その文書の内容から推察するに、
要するに「みの」 はひたすら「告訴」されないための確約としての「合意書」が欲しいらしかった。
以前交わした合意書をなくしたのは向こうの過失であり、
こっちはそんなことどうでもいいのだ。
確かに、もう一度謝罪広告をWEBに載せさせれば、
多少なりともわたしの溜飲を下げることは出来る。
だが、以前わたしはある結論に達していた。
それは、どんな謝罪を載せさせても、本人にその気がなければ、なんの意味もない、と。
もう一度「みの」 に心のこもっていない謝罪文を掲載させ、「わーい」と喜ぶほどわたしはバカなのだろうか?
そのために神経をすり減らす価値があるのか?
すでにわたしは、前と同じような鬱状態に陥っていた。
わたしは弁護士先生に「こんなことをやっていてわたしにはなんのメリットもありません」と訴えた。
さらに向こうから送られてきた「合意書叩き台」に気になる文言があったのだ。
それは「合意に至った経過、また内容をWEBで公開しないこと」という付帯事項だ。
これって、どういうこと?
職業上の守秘義務ならともかく、
また、M&Aのような、守秘義務を伴う契約ならともかく、
わたしが、なぜ「著作権侵害」の「罪を犯した」「みの」
条件をつけられなければいけないのだ?
わたしはその付帯条項を外し、あらたに修正合意書を送るよう、弁護士先生に依頼した。
わたしの弁護士先生は、この長い経過を一緒に過ごしてきただけあって、
「ひはらさんの思うようにしましょう」と言ってくださった。
あとは相手からの返事待ちだ。
この案件は弁護士にとってはカスだろうから、
(「みの」 が払うお金はきっとめちゃ安いにちがいないよ)
返事がいつになるかもわからない。
二年前、「みの」 に内容証明付きの謝罪を求める文書を送ったときとおんなじだ。
そして長らく待たされたあげくに来た答えは…ありえないものだった。

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