ノルウェーの森と著作者人格権侵害 盗作問題 

著作者人格権侵害とはなんだろうか?
ぴんと来ない人も多いのではないだろうか?
著者が描いた作品を勝手に改竄したり、
著者の名前を偽ったり、また記載しなかったりすることなのだが、
わたしの場合でわかりやすくお教えしよう。

と、その前に、わたしはハルキストではないと断っておく。
ハルキについては別に好きも嫌いも何とも感じない。
で、わたしが「Still Heart」を書いたのは1996年。
わたしは同居人の影響で、ビートルズファンであった。
ハルキの大ヒット作、「ノルウェーの森」は読んではいないが、
そのタイトルが、もちろんビートルズの楽曲から取られたのは知っている。
「Isn't it good, Norwegian wood」
あまりにも有名な歌詞だ。
ただ、英語力がないため、ずっとそのタイトルに違和感を感じていた。
そんなとき、定期購読をしていた岩波書店の販促雑誌「図書」で衝撃的な記事に出会った。
米文学者大津栄一郎氏の「ノルウェイの森雑考」である。
それには、「単数形のwoodは森ではなく、材質のこと。
つまり『ノルウェイジャンウッド』とは木材であり、この場合は、ノルウェー製の家具のこと」とあった。
そして続けて彼は、(すみません、もうもとの「図書」が手元にないので、記憶に基づいただけですが)
アメリカ文学者であるためかこのように書いていた。
「60年代当時、ニューヨークでは、北欧製の家具が流行だった。
ソーフォーのロフトなどでは白木の家具を置き、ラグを床に敷く。
だが男が遭った女は、自分の殺風景なアパートに入ると、
家具もない部屋の木製の床を指し、
『ノルウェー製の家具よ、素敵でしょ』と言うのだ。
そこで彼女が貧乏ではあるが、自立した女性で、しかも貧乏であることに引け目を感じず、
ユーモアのセンスにあふれていることが分かる」
「つまり、自立した女性へのリスペクトなどをこのタイトルから感じ取らねばならない。
日本語タイトルの『ノルウェーの森』ではなんのことか分からない」
現在、wikiを見るとどうもそういったニュアンスは削られているが、
リアルタイムで読んだわたしは腑に落ちた。
いかにも後年、「ウーマン」を作曲するジョンらしい歌詞ではないか、と。
もちろん、本当にジョンやポールがそう考えて作曲したかどうかは分からない。
いろいろな説もあるし、
wikiには下世話な説も乗っている。
しかしわたしはそのとき確かにジョンの魂を感じ、感動したのだった。
同じ記事内で、大津氏は
「ノルウェー製の家具というタイトルでは日本ではあれほどヒットしなかったろうし、
そうなれば村上春樹も自作のタイトルに持っては来なかったろう」と書き、
確かにその通りである。
そして今までの疑問が氷解すると同時に、
その歌詞の意味の深さにうたれた。
「ノルウェイジャンウッド」は「ノルウェーの森」では意味がない。
それこそが、言葉の持つ『言霊』なのだと。
そしてわたしは、盗作された「Stll Heart」の中に、
自分の感動を伝えるためと、またジョンへのリスペクトとしてこう書いた。

,,,,,,,,,,,

 三年前訪れたベセスダの二人のフラットは、天井が高く、ワンルームのロフト風で、
コルクの壁に白木の家具と明るい北欧調インテリアだった。
フローリングの床には綾織りのラグが敷いてあった。
 木田は小早川を部屋に招き入れると、
「ノルウェイジャン・ウッドだぜ?」
 くすくす笑って説明した。
「え?」
「ビートルズの歌だよ! 日本では『ノルウェイの森』って訳されてるけどね。
本当はノルウェイ製の木製家具って意味さ。北欧調の家具のことだって星が教えてくれた」
 あっけにとられている小早川に、木田はひどく得意がっていた。
「ホーム」
と何度も木田はその部屋のことを呼んだ。

......

しかし盗作者はこの部分を盗作したあげく漫画化し、
台詞をこう改竄した。


「ノルウェー製の家具だって」
「え?」
「ビートルズの曲だよ。
なんでも『ノルウェーの森』って訳す国があるらしい。
兄さんが教えてくれたんだ。
賛否は分かれるが俺はその解釈も好きだ」


これを見たとき、初めてわたしは怒りに震えた。
台詞をまんまコピペするのはいい(よくはないが)。
が、わたしの感動・思索・ありとあらゆるものから生み出された作品を
改竄されるのはもっとも許せない。
これは著作者の人格を否定することになるのだ。
単に作品を盗む泥棒より更に悪い。
そして盗作者がいかに薄っぺらい人間かを知った。
そうなの、ノルウェーの森でいいのか。はいはい。
自立した女性やジョンへのリスペクトなど微塵もないのね。
まあ、薄っぺらでなくては盗作などしないだろうし、
そんなことを言っても仕方がない。
盗作者に告ぐ。
わたしの地雷は「医者」ともう一つ「ビートルズ」のようだ(笑)
あなたは二つも地雷を踏んだ。
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