小説そのまま  盗作問題7

その頃までにわたしはある一つの感想を持っていた。
それは。
河原崎先生はわたしの「Still Heart」シリーズに出てくる功刀元法学部教授そのままじゃない!
功刀元教授は白髪で温厚な外見、
中身は結構お茶目で大胆、冒険好き。
「Still Heart」第3部に登場し、
木田の性格の悪い美人の兄・木田政基が所属する法律事務所の顧問という設定だ。
未だ取りかかっていない幻の第4部では小早川とともに活躍する予定なのだ。
ひょっとしてこの出会いは運命かも!
それはともかく、次にやるべきことは紙版の同人誌を手にいれること、と意見の一致を見る。
「それはどこかで売っているのかね?」
ウェブサイトで売っていましたが、今は売り切れです。
「国会図書館にあるんじゃないかな?」
ええっ?
いやいやいやいや。
ないですって。
「いつ発行したのかな」
昨年の夏です。
「じゃあもう、国会図書館に入っているんじゃないかな。あそこは日本で発行された全ての本が入っている」
ないですってば。
で、わたしの考えですが、
ツイッターで「有償で譲り受ける」と呟き、拡散してもらうのです。
600円で売られたものですから、高ければ誰かが名乗り出るでしょう。
「そうだね、それが一番だろう」
で、お願いがあるのです。
「何かね?」
連絡先をここの法律事務所にしていいでしょうか?
そのほうが信用されますし、いたずらや詐欺なども防げますから。
「それはかまわないよ。
引き受けるともう決まったのだから」
ファーストステージ、クリア!


そのあとは小説についてのおしゃべりをしてしまった。
先生はわたしが準備した文書に書かれた名前に目を留める。
「このレオン・ユリスってのは?」
アメリカのユダヤ系作家で、ハリウッドの脚本なんか書いた人なんです。栄光への脱出とか。
「おお、そうか」
で、QBⅦってのはクィーンズバー7号のことで…
ナチスドイツに協力した医者の話です。
自分のことを書かれて名誉毀損で作家を訴えるんですが、
その法廷が7号法廷で…
「なるほど」
わたし、QBⅦのTVミニシリーズのことまで説明してしまう。
その後、わたしの本に話題が移る。
「印税ってどのくらいなの?」
10%です。
「そうかあ、僕は8%だったよ。
僕も3冊ほど本を出したんだけどねえ、
あっという間に絶版だ」
河原崎先生が指し示したのは、わたしが座っている椅子の後ろにある本棚だった。
法知識の一般向け解説書といったもの。
じゃあ、電子書籍にして出しましょうよ!
わたしがdistributorを紹介します!
「いや、法も変わってしまったからねえ、手を入れなくてはダメだ。
ちょっと今はその暇がないなあ」
そうなんですか、残念。
「電子書籍の印税って同じなのかい?」
だいたい同じで、10から12.5%ってとこです。
ひどくないですか?
紙もインクも流通も要らないのに!
「もっと高くすべきだね」
でしょう?
「実は僕も小説が書きたいんだ。
ネタはたくさんあるからねえ」
書いて下さいよぉ、電子書籍で出版すればいいんです!
「時間が出来たらね」
ぜひぜひ!
「弁護士の小説家は和久俊三くらいかなあ。
あの人のは面白いなあ」
ジョン・グリシャムがいますよ。
「誰だね?」
ファームとか書いた人です。
アメリカの作家で…
「まあ、アメリカに弁護士は山といるからなあ」
ですよね~~~。
そしてそろそろ時間が来て。
先生、立ち上がる。
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